第45回EBM勉強会を開催しました!

3月のEBM勉強会で扱ったテーマは『遺伝は過剰歯の病因の1つである可能性がある』です。

 

麻生キッズデンタルパークで診療を行っていると、兄弟間で過剰歯のある患者が多いようにと感じました。

そこで過剰歯の発生に遺伝は関係しているのか調べるために論文を検索しました。

 

アブストはこちらです↓

ここをクリックすると論文が確認できます。

š過剰歯があると口腔機能の発達にも影響が出る可能性があるという結果が分かりました。

今までは患者に過剰歯が見付かってから保護者にもあるのか確認していましたが、問診時に確認すれば早期発見に繋がるのではと感じました。

š遺伝の可能性を伝えることで、患者や保護者に精神的な余裕を与えることができて、医院への信頼感に繋がるのではないかと感じました。

ただ今回扱った論文は症例対象研究だったため信憑性にかけるので、今後他の論文の結果等詳しく調べて生きたいと思います。

 

 

麻生キッズデンタルパーク:萩原

第44回EBM勉強会を開催しました!

 

今回のテーマは「有髄歯と無髄歯の間に強度の差はあるのか。」というものでした。

 

「神経がなくなると枯れ木のようになって折れやすくなる」という通説が本当なのかどうかを検証するため、このテーマを選びました!

 

 

このテーマを調べるために

Are Endodontically Treated Teeth more Brittle?

Christine M. Sedgley, BDS, MDSc, FRACDS, and Harold H. Messer, MDSc, PhD

JOURNAL OF ENDODONTICS VOL. 18, NO. 7, JULY 1992

という論文を参考にしました!

 

 

 

 

論文のアブストがこちらです↓

 

 

 

 

結論としては、神経がなくなること自体よりも、治療によって歯が削られることで歯の耐久性が落ちてしまうことや、神経(センサー)がなくなることで

噛む力の制限が効かなくなることによって大きな力がかかりやすくなることなどが可能性として考えられるというものでした!

この研究から、歯の本数を残すことだけではなく、治療方針なども含めて、1本の歯ごとのダメージをどれだけ減らせるかどうかも重要だということが改めてわかりました。

患者さんができるだけ治療を繰り返さないで済むように口腔管理と衛生指導を頑張りたいと思います!

 

 

 

おしまい

1月のEBM勉強会 

テーマ

「成長発育が終了した患者における矯正治療後の後戻り変化について」

 

麻生キッズデンタルパークでは、顎顔面矯正治療を行う患者が年々増えてきました。

一方で、マルチブラケット矯正治療のみを行う患者もいる中で、

二つの矯正治療において、治療方法の違いにより

後戻りに違いはあるのかと疑問に思い、今回検討しました。

 

アブスト↓

https://doi.org/10.2504/kds.53.657

 

後戻りを防ぐためには、治療後の保定が重要であり、

矯正治療後も長期的なサポートが必要であると学びました。

今回の文献を通して、矯正治療後の保定装置の使用の有無や保定期間の違いにより、

後戻りに差があるのかという新たな疑問も見つかったので調べてみたいと思いました。

麻生キッズデンタルパーク 鈴木

12月のEBM勉強会 ワイヤー矯正とアライナー矯正の歯根吸収の差

テーマ:『ワイヤー矯正とアライナー矯正では歯根吸収の差があるのか』

当院ではアライナー矯正に力をいれています。

スタッフ間での知識向上させ、患者さんにより分かりやすく説明ができるようにリスクのひとつである歯根吸収について理解を深める為、以下の論文を選択しました。

 

Orthodontic aligners and root resorption:A systematic review

Gouttieres orthodontiques et resorptionradiculaire : revue systematique

Rajae ELHADDAOUI*, Halima Saadia QORAICH, Loubna BAHIJE, Fatima ZAOUI

Service d’orthopedie dento-faciale, faculte de medecine dentaire, Mohammed V University,

avenue Allal el Fassi, rue Mohammed Jazouli, cite Al Irfane, BP 6212, Rabat, Morocco

Available online: 26 January 2017 / Disponible en ligne : 26 janvier 2017

 

3つの研究が取り上げられています。

1.アライナーを使用した治療後の根吸収率と重症度の評価

2.重い力(225g)と軽い力(25g)を使用して抜歯した臼歯の根吸収の発生率と比較

3.固定器具とアライナーを使用した根吸収の発生率と重症度の比較

 

 

結論としては、アライナーが矯正治療後に根の吸収を引き起こす可能性があることを示した。

ただし、吸収率の発生と重症度は固定器具での矯正で報告された結果と比較して低くなっている。

とのことでした。

 

この内容を踏まえ、日々の診療で説明の中にうまく取り込めたらよいと思いました。

まだまだ、知識不足な部分もありますので、EBMを通して今後も診療に役立つ情報を皆で共有していくことの重要性を改めて感じました。

麻生歯科クリニック 歯科衛生士:杉山

11月のEBM勉強会 セラミックの寿命は?

テーマ : 『セラミック修復の予後、再治療の原因を論文から把握する』

セラミック治療は銀歯に比べ歯によく接着し、劣化が少ないことから歯が長持ちすることは知られています。今回はPdmedよりシステマチックレビューを検索し下記の論文を見ていきました。

Survival Rate of Resin and Ceramic Inlays, Onlays, and Overlays:A Systematic Review and Meta-analysis

S. Morimoto1, F.B.W. Rebello de Sampaio2, M.M. Braga3, N. Sesma4, and M. Özcan5

Journal of Dental Research 2016, Vol. 95(9) 985‒994

論文をまとめると

セラミックの生存率は、

5年で92%から95%(n = 5,811回の修復)
10年で91%(n = 2,154回の修復)

失敗の種類は、

破折/欠け(4%)
歯内合併症(3%)
二次齲蝕(1%)
剥離(1%)
重度の辺縁染色(0%)

セラミックは10年生存率が91%と高い生存率を示していました。セラミックはよく持つということがわかります。

ただセラミックも人工物であるので数パーセントは割れてしまったりでやり直しになることがあります。特に歯ぎしりや噛む力が異常に強い方に多いです。私の臨床経験ですが、稀に割れてしまったり、取れてしまったりすることがありますが、中で大きくむし歯になってしまっている歯はほとんどありません。

麻生歯科クリニック  藤本

9月のEBM勉強会

9月のEBM勉強会

テーマ

「無呼吸症候群を持つ子供たちに急速拡大によって症状の改善が見込めるか否か」

 

近年小児期より無呼吸症候群(OSA)の子どもたちが多く見られます。小児のOSAにより、あえぎ、いびき、無呼吸、夜尿、異常睡眠障害、チアノーゼ、頭痛、注意散漫、多動などの成長阻害が起こると言われています。

今回は、ネットワークメタ分析により様々な治療効果を包括的に比較し、ランク付けする事を目的とした文献を調べました。

Abst

レジュメ

現在成人のOSAはPAPが第一選択となっています。PAPは扁桃摘出術に匹敵する改善をもたらすことが可能です。

小児においてはアデノイドなどのリンパ系の成長は12歳前後まで成長するので摘出が第一選択ではなく投薬治療が多くあります。矯正医は、小児にRME(急速拡大装置)を使用して狭い上顎歯列弓(高口蓋)の正中口蓋縫合を分割し、鼻腔容積を増加させ、鼻抵抗を減少させることのできるRMEを行うことができます。

今回の文献により、RMEは投薬よりSpO2の改善には効果的であり、小児のOSAとしての直接的な治療法にはなり得ないかもしれないが、呼吸や低酸素血症の改善の手助けとなり得ると感じます。

早期に子供達の異変に気づき、患者さんに気づきを与え、歯列不正の改善に留まらず、健康な身体の発育も促すことが出来るような矯正治療を目指していきたいと思います。

麻生キッズデンタルパーク 佐藤

 

 

一般社団法人ジャパンオーラルヘルス学会第1回学術講演会に参加

 

  一般社団法人ジャパンオーラルヘルス学会第1回学術講演会が2020年9月13日に開催され、参加させていただきました。

 

講演内容

講演1:定期管理型予防歯科を実践するために-リスク評価にもとづくう蝕管理- 麻生幸男先生(医療法人社団ワンアンドオンリー麻生歯科クリニック;院長)

講演2:術者磨きのススメ―プロの眼と手で行う術者磨き- 遊佐典子さん(フリーランス歯科衛生士)

 

  まずは当院長の講演でしたが、管理型の予防歯科を考えるにあたって必要なリスク評価の概念、当院において歯科医や歯科衛生士がどのような診療体系で予防を実践しているかについての内容でした。実際に当院で行っているリスク評価方法をもとに、う蝕の成り立ちから予防方法まで様々なエビデンスに基づく知識を再度学ぶ機会となり、日々の臨床を振り返る良いきっかけとなったように感じています。

 

  遊佐先生は術者磨きの効率的手法として、エッセンシャルクリーニング法(EC法)と呼ばれるブラッシング方法とその臨床への応用例を紹介していただきました。EC法による術者磨きに満足された患者さんに、セルフケアへの意欲を出させるという利点も持っているということを学ばせていただきました。日々様々な患者さんを対応するなかで、口腔の健康を維持するために定期来院とともにセルフケアの習慣化の重要性を常に実感しています。そのなかで患者さんの口腔の健康に対する意識を常に保ち、セルフケアのモチベーションを維持するために術者磨きは非常に良い手法ではないかと感じ、日々の診療のなかでも一つの方法として取り入れる必要性を感じました。

 

  今回オンラインという環境で学ばせていただきましたが、日々の臨床で役立てるように復習し、明日からの診療に活かせていけたらと思います。

 

日本アンチエイジング歯科学会 スペシャルワンデイセミナー(web開催)受講


日本アンチエイジング歯科学会主催のスペシャルワンデイセミナー、

「歯科医師が感染症医となる日 2nd stage」を受講しました。

今回はコロナウイルス感染症拡大に伴い、ウェブ開催となりました。

朝から夕方までエネルギッシュな3名の講師の方々の医科歯科連携の話の最前線を聞くことができ、

とても興味深くまた楽しく受講できました。

多くのことに関心・興味を持ち実際に動く姿勢と、

10000歩くらい先を進む先生方のお話は大変刺激になりました。

 

 

【西田亘先生】

保健師の方の2005年の研究では、

歯の数が10本未満で要介護になる確率は、

なんと15倍!

現在、女性の4人に1人が70歳以上であり今後自分も含めて介護が必要となる未来は避けられないものかもしれません。

しかし、口腔ケアでそのリスクを下げることが身近な日本で既にデータとして示されていることを、現在メインテナンスで来院されている患者さんにも伝えていきたいと感じました。

 

 

【天野敦雄先生】

歯周病ではP.g菌の存在がMicrobial siftという細菌の変化を起こしやすくします。

細菌の変化によって人それぞれが持つ細菌叢の安定が乱れると、

悪玉菌が増え歯周病が進行します。

私たちは、“オルコア”というP.g菌検出装置を導入しています。

数値化された検査結果で大変わかりやすく、

歯周病に悩まれている方、インプラントがある方などに特におすすめしています。

天野先生のお話で学んだことを検査時に患者さんにも伝えていきたいと思っています。

プラーク細菌はその代謝物によって協力関係にあり時間と共に病原性を高めるます

「定期管理がシステム化された歯科医院と

プロフェッショナルオーラルケアが望まれる」

 

【長谷川嘉哉先生】

高齢化に伴う問題のひとつに認知症があります。

長谷川先生は様々なお仕事をされている先生で、

認知症専門医で貴重なお話を聞くことができました。

認知症も多因子疾患で36ほどの原因があるとのことでした。

P.g菌がアルツハイマーにも影響があると認められている現在、

認知症の原因のひとつとして歯科が貢献できる部分はあると感じました。

 

糖尿病を知ることが歯科診療に役立つ!? 院内EBM勉強会〜開催編〜

 

8月の院内EBM勉強会のテーマは,「糖尿病と歯周病の関連性」でした.

PubMedで文献を検索し,

「歯周炎・糖尿病患者における歯周治療の効果:システマティックレビューとメタアナリシス」

という論文を選択しました.

従来のシステマティックレビューはHbA1Cの分析に限定されているものがほとんどであったのに対し,

この論文では全身の炎症に関連するものなど糖尿病合併症のリスクを軽減するための他の分析がなされているのがポイントです.

 

目的:歯周炎および2型糖尿病患者において,歯周治療は代謝コントロールを改善し全身の炎症を低下させることができるか?

方法:2型糖尿病患者において,HbA1CおよびCRPに対する歯周治療の効果を評価,452研究のなかからコクランコラボレーションリスク評価ツールを使用して研究の質を評価し,除外後に残った9つのランダム化臨床試験(RCT)を評価した.

統計解析:歯周治療を受けた群(介入群)と受けなかった群(対照群)を比較してHbA1CおよびCRPに対する歯周治療介入の効果を決定した.

結果:SRPはHbA1Cの低減に効果的であった.

 

 

結論:SRPは2型糖尿病患者の代謝制御と全身性炎症の軽減に影響を及ぼすと言える.

 

発表者の考察:口腔内の炎症と全身の炎症が相互に関わりがあり,歯周治療やメインテナンスをはじめとした口腔ケアが全身の健康に寄与できることが示唆されました.

このことからクリニックの患者の,自覚のある高血糖状態を有する者に対して,口腔の健康への動機づけのひとつになり得,自覚のない者に対しては,その口腔の特徴から気づき,生活習慣へのアプローチを行うことがきる.そして必要があれば内科等との連携により,患者を健康に導くことができると考えます.

 

2型糖尿病と歯周病は生活習慣が大きく関わることから,患者には行動変容,医療者にはそのサポートが求められます.

歯周病は糖尿病の第6の合併症であり相互に関連が認められることから,口腔のみならず患者を“全身的な”視点で見ていく必要があり,それを具体的な行動に起こすことで患者の健康に貢献できるものであります.

 

歯科からの目線のみにはなってしまいますが,おそらく双方の疾患や診療について知らないことが多く,それに疑問や問題を感じていない現状があります.しかし,医療者として,予防や重症化予防ができる可能性を少しでも広げていきたいと感じました.一歩ずつ.

糖尿病を知ることが歯科診療に役立つ!? 院内EBM勉強会〜予告編〜

来月の院内EBM勉強会のテーマは,「糖尿病と歯周病の関連性」です.

糖尿病は歯周病とともに有病率の増加が認められ,それぞれが生活に密に関わる疾患であることから,国民のQOLの低下の要因となりうると考えます.

この2つの疾患の関連性については1990年代から様々な研究で示され,現在歯周病は糖尿病の第6の合併症と定義付けられています.

定義づけられた背景をエビデンスに基づき理解することで,来院患者の口腔のみならず全身の健康に寄与できると考えたことがこのテーマを選んだ背景です.

論文を読み解くことだけでなく,皆が糖尿病についての理解を深められたらと考えています.

8月上旬の勉強会後、ご報告の記事を追加投稿予定です!