予防歯科のディスプレイ

予防歯科において歯科商品を購入し、使っていただくことが患者さん自身の手で口腔内の改善に繋げていける手段だと思います。

「どんな道具や商品を使えば虫歯になりにくい口腔内を作れるのか?」担当衛生士からの指導を受けてきた患者は購入意欲が湧いています。

ディスプレイはそんな患者さんが多くの商品の中から購入しやすいように商品を陳列し、購入していただけるように気配りをする事が大切です。

例えば、陳列配置方法として、商品棚の高さや商品数の選別、商品配置の順番など見やすさの工夫をしています。

その結果、当院の歯科医師、歯科衛生士以外のスタッフも 患者さんと一緒に雑貨の知識を増やす事ができています。

 

 

 

 

 

ナイトデンチャー(夜間オーラルアプライアンス)

部分床義歯装着者の患者には、通常「夜間は義歯を外してください。」と指導します。これは義歯の粘膜面により傷ついた粘膜や力のかかった支台歯の歯根膜を回復させるためと、義歯の表面についた汚れ、特にカンジダ菌などの真菌の増殖を防ぐためです(誤嚥性肺炎の防止)。

ところが上下の残存歯による咬合支持が減少している場合、従来通りに”就寝時に義歯を外す”指導を行った場合、残存歯や顎関節に負担が増大し、重大な障害をもたらすことがあります。そこで、患者にはナイトデンチャー(夜間オーラルアプライアンス)を使用することを推奨しています。

ナイトデンチャーとは、その名の通り、夜間に使用する義歯(オーラルアプライアンス)です。歯の欠損部には床付きのスプリント、残存歯部には通常のスプリント、維持不足の場合はクラスプ等の維持装置を付与した構造をしています(症例参照)。

その1番の目的は、ブラキシズム等、睡眠時に生じる力が少数残存歯へ集中するのを防ぎ、力を歯列全体へと配分して残存歯破折、咬耗および動揺の増大を防止することです。また、オーラルアプライアンス(スプリント)と同様の効果も期待され、顎関節の加重負担を防止することです。

もちろん日中に使用する義歯を夜間も使用することは選択肢の1つですが、義歯人工歯の過度な咬耗や義歯の破折が生じることもあり、患者のQOLを損なう可能性もあります。そこで別途ナイトデンチャーを使用することで、日中の活動を妨げることを避けられます。さらに、日中の義歯を比較的清潔に保てるること、残存歯の確実な保護が可能となることで、その意義は大きいと考え、現在、麻生歯科クリニックでは積極的に推奨しています。

 

食事とpH、虫歯の関係

「砂糖を摂り過ぎるとむし歯になる」というのは、誰もが一度は聞いたことのあるフレーズではないでしょうか?
実際、CAMBRAによるむし歯リスク判定の重要なファクターの一つとして「食事」があります。

私たちが日々飲食をする度に、お口の中の環境は中性から酸性状態へと変化し、歯のミネラルが唾液中に溶け出したり、むし歯の原因菌が増殖するきっかけとなったりしています。
中でも砂糖や酸を含む食べ物(お酢やレモン、炭酸など)は、お口の中のpHを急激に低下させ、瞬間的に酸性状態を作り出す代表的な食品です。
このことから、患者の「習慣的な食事摂取状況」を聞き取ること(何を、何回、どのくらいの時間をかけて食べているのか)は、むし歯のリスクを判定する上で非常に重要な問診事項となります。

私たちは「食べてはいけない」と注意するのではなく、正しい知識を与えつつ、生活の中で実践しやすいようアドバイスをしたり、適切な製品を使ってカバー出来るように予防計画書を作成して指導を行っています。
また、当院では健康食品の一つとして医療機関専用サプリメントの購入も出来るようになりました。

CABMRAのむし歯リスク判定を通じて、望ましい食習慣と健康的な身体つくりのサポートが出来るよう、今後も推進していきたいと思います。

プラセンタ

歯科助手の佐野です。

今日は美容歯科のお話をします。

私は当院で人気の美容歯科であるプラセンタを体験しています。注射が苦手な私でも服用できるのでお手軽です。

プラセンタの効果は美白や保湿などの美肌効果やアンチエイジング効果の他、健康全般に関する様々な分野での効果が期待されます。

服用を始めてから患者さんに”いつも元気だね”と声をかけて頂いております。

個人により様々な効果がありますが一般的な自覚症状の改善は以下のようなものがあります。

・体調が良くなった。

・寝起き、肌つやが良くなった。

・白髪が出てくるのが遅くなった。

・疲れづらくなった         などなど

気になる方はぜひスタッフに聞いてみてください。

 

 

 

MDH ~マイクロスコープ歯科衛生士~  貞松

こんにちは歯科衛生士貞松です

5月23日マイクロスコープセミナーをMDH歯科衛生士大野先生をお招きし

当院にて行いました。

 

予防歯科で最も重要なこととして患者に疾患の病態やメインテナンスにおける細かな変化があった部位の情報を伝えることがあります。

診療について説明をする、ツールとして口腔内規格写真を当院では以前から導入していますが、5年ほど前から歯科衛生の部屋にもマイクロスコープを7台導入しました。

 

通常の視覚より現在、起きている新しい情報を大きな画面にて動画や写真で患者さんに情報提供できることにより、患者さんがご自身の口腔内の状況が分かり易いとお声かけ頂いたり、ご自身の口腔内に興味を持っていただくことで、口腔ケア管理の重要性を理解され口腔内の改善が見られてきました。患者さんの歯や歯肉を傷をつけないメインテナンスや、小さな虫歯の早期発見、肉眼では見えない修復物のズレから起こる2次的な虫歯を発見たりとマイクロスコープの活用は私達には無くてはならないものとなっています。
また、歯科医の治療のクオリティーも明らかになってしまうので、どのような考えで、患者さんの為に治療しているのかも良くわかるようにまります。笑

今回大野先生にはより一層痛み無く行うメインテナンス、患者さんに情報提供できる画像の見せ方など指導いただき、より歯科衛生士としてのスキルを上げ益々患者さんに貢献したいと感じました。

 

予防歯科における自費治療 その1

当院では、歯内療法専門医による質の高い根管治療をご提案しています。

歯を残すためには治療を繰り返さないことが大切です。

 

マイクロスコープを用いた高度な治療と患者さん自身のセルフケアの確立によって、より健康的にご自身の歯を長く機能させる、すなわち歯の保存、延命に繋がります。

一般的な保険治療での根管治療は、技術的、時間的制約により
根管治療の成功率(再発させない)や保存率(自分の歯の寿命)は5割にさえ満たないと言われています。
ましてや、ラバーダムもしない劣悪な環境下で、歯の神経の治療は想像できず、倫理的にも問題があります。

しかし、環境を整え、十分な知識と高い技術を持った専門医の根管治療では8割以上の高い成功率のもと、繰り返しの治療を防ぐことが出来ます。
ぜひ、この事実を知っていただきたいと思います。
先日、患者さんでもある眼科医が、
どうして歯科治療でマイクロスコープ(顕微鏡下での治療)の使用が普及しないのか?
使用が当然❗️という気持ちでこられました。
そして、1診療時間あたり90分くらいの根管治療を数本受けられています
根管治療は回数こそ少ないですが、一回の診療時間は長くかかります。
そのくらい、神経を使うデリケートな診療で
欧米では最も格式の高い歯科臨床の一つです。

根管治療において、保険治療と自費治療では何が違うのか、どのようなメリット・デメリットがあるのか、患者さんに伝わるように十分な医療説明を行います。

治療の選択肢を提示し、患者さん自身で決めて頂くことで自分の歯について考えてもらい、
歯の価値を見出していただく機会にもなります。

お知り合いに、歯の根の治療で困っておられる方がいましたら
なんなりとご相談ください。

待合室モニターに注目! 

2019年3月7日、3F予防診療フロア待合室にモニターを設置しました。

予防診療フロアにお見えになる方は定期的にメインテナンスを受けていただいている患者さんがほとんどです。
そんな健康意識の高い患者さんに、最新の情報をお伝えするためにこのたび情報提供モニターを設置しました。
メインテナンスでは「生涯健康な歯で食事や会話、生活を楽しんでいただく」こと、つまり「歯を守る」ことを理念に、私たちは診療しています。
ここでは、そのなかでひとつご紹介したいと思います。
「歯を守る」ために最も重要なことは歯みがきです。
麻生歯科クリニックでは、スイス製歯ブラシ“クラプロックス”を取り入れています。
クラプロックスの歯ブラシを初めて見た方は、おそらくそのデザイン性に目を奪われることでしょう。カラフルでとてもおしゃれです。
次に触れたときにその柔らかさに驚くことと思います。
クラプロックスの歯ブラシは、まるで歯ぐきをマッサージするような感触で歯をツルツルに磨き上げることができます。
使い方は担当歯科衛生士が患者さんにお伝えしていますが、待合室のモニターでは動画でお伝えしています。

 

小児歯科との連携

当院では、ASOキッズデンタルパークと連携し親子で同じ医療方針の歯科医院にかかり、健康管理していくメインテナンスを強く推奨しています。

自分だけではなく、家族単位での通院が家族のお口の健康を守ることに繋がるからです。

また、家族の生活習慣をよりよいものに変えていくことで健康な身体と豊かな生活を得ることが出来ます。

キッズでは通院している子供たちも次第に成長し、永久歯が生えそろう段階で当院に転院することを勧めています。U12まで、とはいえ慣れ親しんだ医療環境や乳幼児からのパートナーである衛生士との強い関係性には双方向で信頼関係が構築されています。

その際には、キッズで担当していた歯科衛生士が患者さんの医療情報をまとめ、当院で担当する歯科衛生士に引継ぎ継ぐ体制が取れています。

転院することでさらに、長期的な管理が可能になります。
私たちは、ベイビー、キッズ、ティーン、ヤング、アダルトに至る成長過程で継続してメインテナンスしていく医療体制を整えつつ準備しています。

週に1度キッズデンタルパークで診療を行っているスタッフもおり、定期的に行われている双方の医療カンファレンスにも参加し情報共有、共に学ぶ機会もあります。

 

第27回EBM勉強会

第27回EBM勉会

 

2019年5月27日 グループB 篠原 増井 望月

「Trajectory of social inequalities in the treatment of dental caries among preschool children in Japan」

〈背景〉

 むし歯をはじめとする歯科疾患は、罹患する人がとても多い疾患であり、小児のむし歯の治療は、家族の支出、小児の学校の欠席また両親の職場への欠勤を増加させる。う蝕の社会的不平等のために、社会経済的地位が低い家族では小児う蝕治療の負担が増大している

しかし、この健康格差が子どもの成長に伴ってどのように推移していくかの報告は世界的にも少なく、特に未就学児における報告は存在しない。そこで本研究では、厚生労働省の実施した追跡調査のデータを用いて未就学児におけるう蝕治療の経験の推移を明らかにした

〈対象・方法〉

 厚生労働省が実施する「21世紀出世維持縦断調査」は、全国の2001年1月10日~17日と7月10日~17日の間に出生した子どもを追跡している、日本のこの世代の子どもの代表的なデータとなるコホート研究である。

 これを用いて35.260人の子どもたちの過去1年間のむし歯治療を受けた割合を2歳6ヶ月から5歳6ヶ月までの期間について分析した。両親の教育歴を格差の計算に用いた。

学歴は中卒・高卒を低い学歴、大学等以上を高い学歴と分類して格差勾配指数と格差相対指数を算出して格差を評価した。

〈結果〉

 過去1年間のむし歯治療を受けた割合は2歳6ヶ月の時点で10%未満だったが、5歳6ヶ月の時点で30%以上に増加した。親の教育歴が低い家庭の子どもではむし歯治療経験は8.5%から41.5%に増加。一方教育歴の高い家庭の子どもでは5.6%から31.5%の増加。家庭の教育歴により、むし歯の健康格差が拡大傾向にあり、格差勾配指数でみると2歳6ヶ月の時点で4.13だったのが5歳6ヶ月では15.50となり統計学的にも優位な格差拡大がっ認められた。

〈まとめ〉

今回、リテラシーについて調べることにより、どの様な患者に対してチェックする必要があるかを認識することができ、その子の本来のリスクをしっかり判定することができると思った。

また、小児患者のカリエスリスクに関しては、知識だけではなく保護者の健康管理も重要になってくるため、来院された患者に関しては、よりいっそう家族での歯科受診を勧めていきたいと思う

 

キャンブラ~新時代のむし歯予防、はじまる~ 

数年前から「キャンブラ」という、う蝕のリスク検査で、患者さんのむし歯のなりやすさを評価し予防をしています。
キャンブラとは、アメリカで生まれたむし歯予防管理方法です。最大の特徴はそのシンプルさ。
下記の専用の機械を使い、15秒で一部の検査結果がわかります。
これは、お口に潜む歯垢(プラーク)中のバクテリアの酸を発生させる時のATPの活動量を計測しています。

比較的、お口の健康意識の高い患者さんが
カリエスリスクマネジメントを受けておられます。

むし歯の原因はひとつではなくたくさんの原因がありますが、もっとシンプルに考えてみたいと思います。
天秤(はかり)をイメージしてみてください。
右側に“むし歯になる原因”を乗せてみます。例えばたくさんのみがき残しや間食が多いなどです。
左側に“むし歯を防ぐ行動”を乗せてみます。例えばフッ素の使用や唾液が多いなどです。
このはかりがどちらに傾くかで、その方のむし歯になりやすい危険度が評価できます。
危険度が高くても、その高さによって対策がありますので私たちにおまかせください。患者さん個人個人の生活に寄り添った形での健康管理提案を行いますので、むし歯になりにくいお口の未来を一緒につくっていくことが可能になります。
これから、このう蝕管理方法の有効な点を述べていきたいと思います。