CAMBRA ケースレポート 小児
【ハイリスクを管理する】
初診時年齢:2歳 男児
主訴:1歳6ヶ月児検診で虫歯があると指摘を受けた
口腔内の状態:上顎前歯部、両側D咬合面に活動性のう蝕あり
清掃状態:上顎プラークコントロール不良
《リスク評価》
疾患因子:目視可能なう蝕、エナメル質の脱灰、
歯面上のホワイトスポット
う蝕の経験
リスク因子:哺乳瓶で飲みながら寝かせる
/欲しがったら与える
日に3回以上の間食
保護者の健康管理に関する知識が不十分
防御因子:無し
《リスクレベル》
ハイリスク
《予防計画》
・フッ化物の応用 家庭で年齢に合わせたフッ化物を使用する
・食生活の改善 飲食回数の見直し 寝かしつけでの授乳をやめる
・プラークコントロールの改善
※上顎前歯部 上顎両側D咬合面はサフォライド塗布
現在の状態
現在の年齢:5歳 幼稚園通園中
《リスク評価》
疾患因子:う蝕の経験
リスク因子:無し
防御因子:日に1回以上のフッ化物配合歯磨剤の利用
日に2回以上のフッ化物配合歯磨剤の利用
過去6ヶ月以内のフッ化物歯面塗布
《リスクレベル》
ハイリスク
▪️口腔内写真(2歳から5歳)
※2歳サフォライド塗布後
※3歳シーラント処置後
※現在(5歳)
▪️レントゲン写真(3歳から5歳)
※3歳
※現在(5歳)
CAMBRAのリスク評価に基づいて、口腔内のう蝕リスクを管理した結果、この患者さんは初診から約4年間新たな疾患は発症していません。
ハイリスクの患者でも、リスク因子を減らし、防御因子を増やせば、新たな疾患の発症を防ぐことはできます。
そのためにはCRAフォームを用いて保護者への説明を行い、保護者自身の行動変容を促すことも重要であると考えています。