9月のEBM勉強会
テーマ
「無呼吸症候群を持つ子供たちに急速拡大によって症状の改善が見込めるか否か」
近年小児期より無呼吸症候群(OSA)の子どもたちが多く見られます。小児のOSAにより、あえぎ、いびき、無呼吸、夜尿、異常睡眠障害、チアノーゼ、頭痛、注意散漫、多動などの成長阻害が起こると言われています。
今回は、ネットワークメタ分析により様々な治療効果を包括的に比較し、ランク付けする事を目的とした文献を調べました。
現在成人のOSAはPAPが第一選択となっています。PAPは扁桃摘出術に匹敵する改善をもたらすことが可能です。
小児においてはアデノイドなどのリンパ系の成長は12歳前後まで成長するので摘出が第一選択ではなく投薬治療が多くあります。矯正医は、小児にRME(急速拡大装置)を使用して狭い上顎歯列弓(高口蓋)の正中口蓋縫合を分割し、鼻腔容積を増加させ、鼻抵抗を減少させることのできるRMEを行うことができます。
今回の文献により、RMEは投薬よりSpO2の改善には効果的であり、小児のOSAとしての直接的な治療法にはなり得ないかもしれないが、呼吸や低酸素血症の改善の手助けとなり得ると感じます。
早期に子供達の異変に気づき、患者さんに気づきを与え、歯列不正の改善に留まらず、健康な身体の発育も促すことが出来るような矯正治療を目指していきたいと思います。
麻生キッズデンタルパーク 佐藤