歯周病は単に“口の病気”というだけではありません。
昨今、全身疾患との関連が広く取り沙汰されています。
オトナが歯を失う原因の多くは歯周病です。
歯周病には完治というものはありません。「治った!」と思うのは症状が寛解しただけです。
歯周病は慢性炎症といって、慢性的に(ずっと)腫れている状態です。
歯肉に潰瘍面ができ、赤くなったり腫れたり、血が出たりまたは膿が出たりします。
慢性炎症は、火事に例えることができます。
慢性炎症は、大火事ではなくいわゆるボヤです。ボヤでも、火事を放置する方はいないと思います。
ところが、歯肉から血が出ることを気に留めず放置している方もいるという大変危険な状態に遭遇することも時々あります。
自分でも感じるくらいの腫れや出血があるときは、歯周病の症状が急性化していてとても危険な状態です。
歯周病による慢性炎症は全身に広がります。体のどこか(口の中)に炎症があと、炎症メディエーターが血流を介して全身に広がります。
すると、体のいろいろな所でくすぶっていた炎症の芽が、活発な炎症に変えられます。
これが、歯周病が全身疾患の発症や悪化にかかわるメカニズムのひとつです。
また逆に、身体のほかの臓器の炎症が口に影響を及ぼすことも知られてきています。
血液中に侵入した細菌そのものが全身を駆け巡ることも全身疾患につながります。
私たちはメインテナンスを通じて、患者さんに合ったプロケア提供とと高度なセルフケア習得を促しています。