第50回 EBM勉強会

8月のEBM勉強会のテーマは

「幼児の口腔機能の発達と食物形態の関連について」です。

日々の診療の中で、特に離乳食が始まる頃は養育者からの食事に関する相談が多いです。

食事アンケートや養育者への聞き取りからは、こどもたちの食事内容に大きな違いあまりないようにみえます。しかし、摂取する食物形態や、こどもたちの口腔内には違いがあるように感じています。このことから、こどもたちの食事の摂取方法の違いにより、結果的に口腔機能の発達にも違いが出るのではないかと疑問に思い、今回検討しました。

ASO KIDS DENTAL PARK 歯科衛生士 鈴木

第44回EBM勉強会を開催しました!

 

今回のテーマは「有髄歯と無髄歯の間に強度の差はあるのか。」というものでした。

 

「神経がなくなると枯れ木のようになって折れやすくなる」という通説が本当なのかどうかを検証するため、このテーマを選びました!

 

 

このテーマを調べるために

Are Endodontically Treated Teeth more Brittle?

Christine M. Sedgley, BDS, MDSc, FRACDS, and Harold H. Messer, MDSc, PhD

JOURNAL OF ENDODONTICS VOL. 18, NO. 7, JULY 1992

という論文を参考にしました!

 

 

 

 

論文のアブストがこちらです↓

 

 

 

 

結論としては、神経がなくなること自体よりも、治療によって歯が削られることで歯の耐久性が落ちてしまうことや、神経(センサー)がなくなることで

噛む力の制限が効かなくなることによって大きな力がかかりやすくなることなどが可能性として考えられるというものでした!

この研究から、歯の本数を残すことだけではなく、治療方針なども含めて、1本の歯ごとのダメージをどれだけ減らせるかどうかも重要だということが改めてわかりました。

患者さんができるだけ治療を繰り返さないで済むように口腔管理と衛生指導を頑張りたいと思います!

 

 

 

おしまい

12月のEBM勉強会 ワイヤー矯正とアライナー矯正の歯根吸収の差

テーマ:『ワイヤー矯正とアライナー矯正では歯根吸収の差があるのか』

当院ではアライナー矯正に力をいれています。

スタッフ間での知識向上させ、患者さんにより分かりやすく説明ができるようにリスクのひとつである歯根吸収について理解を深める為、以下の論文を選択しました。

 

Orthodontic aligners and root resorption:A systematic review

Gouttieres orthodontiques et resorptionradiculaire : revue systematique

Rajae ELHADDAOUI*, Halima Saadia QORAICH, Loubna BAHIJE, Fatima ZAOUI

Service d’orthopedie dento-faciale, faculte de medecine dentaire, Mohammed V University,

avenue Allal el Fassi, rue Mohammed Jazouli, cite Al Irfane, BP 6212, Rabat, Morocco

Available online: 26 January 2017 / Disponible en ligne : 26 janvier 2017

 

3つの研究が取り上げられています。

1.アライナーを使用した治療後の根吸収率と重症度の評価

2.重い力(225g)と軽い力(25g)を使用して抜歯した臼歯の根吸収の発生率と比較

3.固定器具とアライナーを使用した根吸収の発生率と重症度の比較

 

 

結論としては、アライナーが矯正治療後に根の吸収を引き起こす可能性があることを示した。

ただし、吸収率の発生と重症度は固定器具での矯正で報告された結果と比較して低くなっている。

とのことでした。

 

この内容を踏まえ、日々の診療で説明の中にうまく取り込めたらよいと思いました。

まだまだ、知識不足な部分もありますので、EBMを通して今後も診療に役立つ情報を皆で共有していくことの重要性を改めて感じました。

麻生歯科クリニック 歯科衛生士:杉山

9月のEBM勉強会

9月のEBM勉強会

テーマ

「無呼吸症候群を持つ子供たちに急速拡大によって症状の改善が見込めるか否か」

 

近年小児期より無呼吸症候群(OSA)の子どもたちが多く見られます。小児のOSAにより、あえぎ、いびき、無呼吸、夜尿、異常睡眠障害、チアノーゼ、頭痛、注意散漫、多動などの成長阻害が起こると言われています。

今回は、ネットワークメタ分析により様々な治療効果を包括的に比較し、ランク付けする事を目的とした文献を調べました。

Abst

レジュメ

現在成人のOSAはPAPが第一選択となっています。PAPは扁桃摘出術に匹敵する改善をもたらすことが可能です。

小児においてはアデノイドなどのリンパ系の成長は12歳前後まで成長するので摘出が第一選択ではなく投薬治療が多くあります。矯正医は、小児にRME(急速拡大装置)を使用して狭い上顎歯列弓(高口蓋)の正中口蓋縫合を分割し、鼻腔容積を増加させ、鼻抵抗を減少させることのできるRMEを行うことができます。

今回の文献により、RMEは投薬よりSpO2の改善には効果的であり、小児のOSAとしての直接的な治療法にはなり得ないかもしれないが、呼吸や低酸素血症の改善の手助けとなり得ると感じます。

早期に子供達の異変に気づき、患者さんに気づきを与え、歯列不正の改善に留まらず、健康な身体の発育も促すことが出来るような矯正治療を目指していきたいと思います。

麻生キッズデンタルパーク 佐藤

 

 

第37回 EBM勉強会

5月15日 麻生歯科クリニックとASO KIDS DENTAL PARK合同でEBM勉強会を行いました。

コロナウイルス感染対策のためZOOMを利用して行いました。

日々臨床において永久歯先天性欠如を有する患者さんに対応することが多いので

今回は永久歯先天性欠如をテーマとした論文を選択しました。

「永久歯先天性欠如の発現様式のメタアナリシス」です。

EBM20200331ブログ

初めてZOOMを使用し勉強会を行いましたが一同に介さなくても情報を共有できるので

コロナウイルス感染対策を取り今後も合同勉強会を続けていきたいと思いました。

LANCET 医学論文掲載 「口腔衛生における全世界的な怠慢を終わらせる:今こそ行動のとき」

LANCETは、世界中で最も知名度があり高く評価されている世界五大医学雑誌の一つですが、この論文は今年の7月、そのLANCETに掲載されたものです(Lancet. 2019 Jul 20;394(10194):261-272)。

 現代の歯科医療をグローバルな視点で見たときの問題点、そしてそれを解決に導くための提言が端的にまとめられています。その内容は壮大?にして、理想論的な側面も少なからずありますが、われわれ歯科医療従事者が今、治療以外に何を考えなくてはいけないかについて、重要なヒントを与えてくれているのではないでしょうか。

 

その内容を、以下に要約します。

全世界的に、歯科治療は疾患に対する治療中心であり、根本的な原因への対処にはまったく目が向けられていないという現状がある。

高所得国(HIC)における歯科の問題点は、人口に対する歯科医師数の急激な増加とそれによる歯科医の過剰供給、医原性過剰治療のリスクの増加、および歯科医の失業の増加である。また、歯科医院は裕福で健康な人々が多い都市部に集中しており、幼児や低所得の家族、ホームレスや囚人、それに障碍者といった人々は一般的に十分なサービスを受けられない、需給のバランスが逆転したいわゆる「さかさま医療ケア」の状態がある。

低・中所得国(LMIC)における問題点は、口腔衛生へのアプローチ自体が進んでおらず、特に農村部などの貧困地域においてほとんどの疾患が放置されていることである。一部の国では、口腔医療の人口カバー率がHICの1/8以下となっている。

この問題を解決するためには、歯科医療システムの根本的改革が全世界レベルで必要となる。歯科医療と一般的な医療を分けて考えることなく、健康増進と疾病予防を強調し、人口のニーズを監視して対応する必要がある。理想的なシステムの総合目標は、口腔ヘルスケアを普遍的な健康保険の枠組みに不可欠なものとし、人々のセルフケアを強化することにより、すべての人々に良好かつ公平な口腔健康を達成することである。

そのための提言としては次のようなものがある。

ユニバーサルオーラルヘルスケアの確立:人口カバー率、金銭的負担、サービス品質という3つの側面を充足できるよう、適切な測定基準を策定し、現地の状況に合わせて改善策を講じる。

口腔保健に関与する労働力の改革:歯科医師中心の治療モデルをチームアプローチにシフトさせ、歯科医師ではない者がプライマリヘルスケアシステムの導入レベルで大部分の必須ケアを実施する。そのためには予防と健康増進を主軸としたトレーニングと、適切に実施されているかの監督が必要となる。

社会的ヘルスケアシステムの有効化:民間と公共の両セグメントにおいて、同等のサービスが受けられるようインフラの整備を行う。

モニタリングとデータ収集 分析:大規模なサービスの提唱、概念化、管理、微調整、および提供のため、臨床的エビデンス、医療サービスデータ、および影響評価を実施する。

人口全体を視野に入れたアップストリームへの介入:口腔衛生における社会経済的不平等を減少させるために、他の非感染性疾患(NCD)への対策と連携した大規模な介入政策を行う。

砂糖削減戦略:う蝕の根本原因である砂糖の使用量を削減するため、砂糖含有製品の販売やプロモーションの制限、砂糖含有製品への課税、幼稚園や小学校での間食ガイドラインの策定などを行う。

口腔衛生の政治的優先度の改善:口腔の健康を基本的人権の一部と位置づけ、WHOおよびその加盟国の課題としてより大きな対策がとれるようにしていく必要がある。

 

以上のように、口腔衛生に関連する教育、訓練、研究、健康政策といったシステムの優先順位を普遍的な口腔衛生の人口カバー率向上を目指して調整するには、持続的かつ協調的な政治的支援と、患者とコミュニティを含むすべての利害関係者の関与が必要となる。

いかがでしたでしょうか?

提言された解決策については、一朝一夕に実現するのは難しいのではないかというのが正直なところですが、逆に言えば、このようなラジカルな改革を推し進めなければならないほど、世界の歯科情勢は切迫しているということなのかも知れません。臨床家は日々の診療にどうしても忙殺されがちになりますが、今一度歯科医療の原点に立ち返り、広く社会のためにわれわれにできることは何なのかを、折に触れて模索していくべきではないかと思います。

上記の提案を診療所レベルで何ができるか考えた際、まずは臨床の在り方、考え、実践方法を学べる
研修会があります。

私も9年間 継続して学んで怠惰な日常臨床にならんよう喝を入れていただいています。
患者と共に歩む臨床予防モデルを学び、地域でヘルスケアをリードするデンタルクリニックを目指すなら
EPSDC研修会の門徒をたたいてみてください。

 

詳しくは下記リンクをクリニックしてください。

EPSDC研修会について ☞ HP

若手のための新設・宮下塾 歯学部学生・大学院生・研修医限定のWEBセミナー ☞  HP

 

院内装飾の重要性 

サービスを提供する施設が評価をされるポイントは主に3つあります。

・内容と質

・誠実かつ温かい対応

・施設内の雰囲気

また来たいと思ってもらうためにはこの3つを揃えることが重要です。

麻生キッズデンタルパークでは、楽しく毎回違った雰囲気を感じてもらうために、シーズンにあった装飾をするように心がけています。

10月はハロウィンの装飾と紅葉で秋を感じていただけるようにしています。

次はどうなっているのだろう?また来たい!という気持ちになってもらえるよう対応する態度だけでなく、院内のデコレーションにも気を遣っています。

 

顎顔面矯正治療スタッフセミナ−2019

顎顔面矯正治療スタッフセミナーに歯科医師佐藤・松葉、歯科技工士佐川、アシスタント徳田の4名参加してきました。

顎顔面矯正とは顎骨と顔面の発育の遅れ(発育不全)を取り戻し、結果として歯並びが良くなる治療です。(スタッフセミナーシラバスより抜粋)

現在麻生キッズデンタルパークでは400名以上の子どもたちが顎顔面矯正を行なっております。

日々の診療の中で「トレーニングを頑張ったよ!」と報告のしてくれる矯正中の子ども達のモチベーションアップや、1歳になる前から虫歯のない健康なお口にしたいと継続管理を続けている保護者の方により正しく新しい内容の説明を行うために知識をブラッシュアップするために数年前から参加させていただいております。

講義内容は病因論から始まり、カウンセリングの方法、資料の採得の仕方、装着後のアフターケアと内容は盛りだくさんでした。

中でも新しいトピックスとしてことばの練習と食生活指導についてがあり、特に食生活指導では今までは客観的に患者さんにお伝えしていたことも数値として表すことができる様になり目でみて理解のしやすい指導ができる様になるのではと思います。

まだ、矯正というとネガティブに考える方も多い日本人ですが、正しい発育について的確に患者さんに伝えたくさんの子ども達を健康にし、結果としてキレイな歯列に導いていける様日々精進を重ねていきたいと思います。

 

ASO KIDS 早期発育矯正 ③

ASO KIDS矯正チーム佐川です。

今回はハイラックスHY(急速拡大装置)についてです。

毎日、スクリューを一回ずつ拡大して、0.2ミリずつ側方に拡大する装置です。

側方拡大前⬇︎

側方拡大12.0ミリ拡大後⬇︎

 

 

 

 

 

 

ASOスカル君的には

 

 

 

顎骨の拡大の成長をイメージ出来たでしょうか?

上の二枚の歯牙模型の写真は上顎が左右対象にあり、正中口蓋縫合まではイメージできませんね。

0歳か幼児までは大泉門や小泉門がある関係で前頭骨が左右に分かれています。

秋のディスプレイ 

麻生歯科クリニック秋のディスプレイ。

キーカラーは赤。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

暖色を基調としたまとまりの配色にしました。

ポイントはウォールステッカーの「コスモス」です。

コスモス(秋桜)は日本人になじみ深く、花が風にそよぐ姿が美しく表現されています。

雑貨とウォールステッカーの統一感を持たせるために

オレンジの紅葉と茶色い松ぼっくりも置いてみました。

まだまだ暑い日が続いていますが、少しでも秋を感じていただけるとうれしいです。