好評です! 栄養学講座2 「マイナス1歳」からはじめる栄養学

栄養学講座第2弾といたしまして、「マイナス1歳」からはじめる栄養学を麻生キッズデンタルパークにて株式会社ヘルシーパスさんと共同主催のセミナーが開催されました。

前回のブログにもあったとおり、現代の20代女性の2割余りは痩せ形で、栄養不良も広がっていると心配されており、今後出産を控えている母体の栄養状態がよくないと産まれてくる子どもの体質に多大な影響がでます。

DOHaD(Developmental Origin of Health and Disease)という言葉をご存知でしょうか?

胎児期、乳幼児期の環境が成長後の健康や疾病の発症リスクに影響を及ぼすとい概念で、第二次世界大戦末期に、ナチスドイツによる出入港禁止措置のため、オランダの一部の地域で激しい飢餓に陥り、約4か月という短い期間に妊婦の多くが飢餓状態となりました。そして、その妊婦から低出生体重児が多く生まれ、成人になった後に肥満、高血圧、虚血性心疾患、腎疾患、精神疾患などに多くが罹患していたという驚くべき報告がありました。

その後「生活習慣病の起源は胎児期にあるのではないか」という仮説が立てられ、多くの研究者が検証を行った結果、最近では胎児期だけでなく乳児期の環境も成人後の疾患に影響を及ぼすことが明らかとなってきています。(ヘルシーパスHPより抜粋

このように母親が正しい知識をもって栄養のバランスを考えなくては、今後産まれてくる子どもたちの健康状態が危ぶまれてしまします。漠然と最近の子どもたちは体幹がなく身体バランスの子が多いと感じることはありましたが、胎児の時点で将来が決まってしまっているということに驚きました。

これからも少しでも子どもたちが健やかに成長をしていけるように保護者の方にお伝えしていきたいと思います。

次回は『いつまでもキラキラした女性でいるために』を9月10日に開催予定です。

子どもたちに伝えるブラッシング方法

 

麻生キッズデンタルパークは開業10年を迎えました。

今までの10年の間でも、子どもたちの健康を守る口腔育成の方法は進化を続けています。

その一つに、仕上げ磨きや本人磨きに対するブラッシング指導法があります。現在わたしたちは、9分割法というブラッシング方法を推奨し患者さんに提案しています。

この方法は、子ども自身の歯磨きスキルを身につける上で有効であると学び、当院も実践するようになりました。以前は、衛生士により多少の違いが生じ、子どもたちの歯磨きスキルの均一化をはかることが難しかったように感じます。全衛生士が同じ手法で、統一した指導を行うことにより、誰もが同じ説明ができ、患者さんのスキルチェックも容易に行うことが可能になりました。

さらに、患者さんにもっとも近い存在である衛生士はもちろんのこと、ブラッシング教室の一翼を担う保育士さんにも子どもたちの9分割法による歯磨き習慣の定着化を確認してもらうなど、患者さんのサポートを医療チームで取り組めるようになりました。今後も、子どもたちの継続的な通院につながるための新たな知見をみつけられるよう、知識の習得に努めていきたいと思います。

 

第一印象の重要性

人と人とが関わっていく上で第一印象はとても重要です。

1971年にアメリカの心理学者アルバート・メラビアンが提唱した概念でメラビアンの法則というものがあります。

話し手が聞き手に与える影響は「言語情報」「聴覚情報」「視覚情報」の3つから構成され、それぞれの情報の影響力は

言語情報→7%

聴覚情報→38%

視覚情報→55%

つまり、第一印象は、見た目や声を判断材料として決められやすいということが言えます。

受付は患者さんが最初に通る場所だからこそ、そこでの対応が患者さんにとっての医院での第一印象になるので、身だしなみ、言葉遣い、表情にはとても気をつけています。また麻生キッズでは受付付近視覚的に明るく楽しい雰囲気を出せるようにカラフルな彩りになっています。

患者さんにとって一番気持ちの良い対応とはなにかを常に考えて追求しています。

待合室に絵本を置くことで

最近、バスの中や新幹線の中など、なにかと時間があれば子どもたちにスマホを渡し、大人しくさせている光景をよく見かけます。しかし、小さい頃からスマホを長時間使うことで、言語能力に遅れが生じたり、視力が低下したりと様々な問題も出ています。診療室のはテレビなど映像はございません。
子供と一緒に治療していくので、注意力が散漫にあり、治療における集中力が低下してしまう

だからこそ、麻生キッズでは診療前に早く見えた患者さんが退屈にならないように、たくさんの本や絵本を用意しています。絵本や子供にとって有益な本は定期的に増冊されています。
絵本を読むことで、言葉の力、思考力、集中力を育てることができ、親に読んでもらうことで親子の触れ合いの時間をつくることにも繋がります。教育図書としてご好評いただいております。

そのため、配置も子どもに興味を持ってもらえるように、子どもの目線にあった高さに置いたり、絵本もローテーションさせて、飽きないように工夫しています。

定期交換する絵画の活用法について 

当院では定期的に絵画を交換して飾っております。皆様お気づきでしょうか?

いよいよ夏も本番となりまして、各フロアーの絵が変わっております。

歯科に緊張して来院される患者さんも多いと思います。

当院の患者さんは定期的、継続的に来院される方が多数です。

予防フロアーに通う患者さんは3ヶ月おき、季節が変わると歯科に行くことも習慣化されています。

 4Fフロアー『ホンフリューの港町』ファンシュ作

 

患者さんからは『素敵な絵ね、毎回交換するのを楽しみにしているのよ』

『絵画があるととても癒されます』などのお声をいただいています。

実は絵画には不思議なパワーがございます。

医療にアートを取り入れることで、患者さんの緊張をほぐし気持ちを癒すことができるんです。

欧米では「ホスピタルアート」「ヒーリングアート」などと呼ばれ広く普及しています。

絵画作品を見ると、人の心はリラックスし、またクリエイティブな感性が刺激されることが、科学的にも実証されているんですよ。

2Fフロアー『ベニスに遊ぶ』ギャマン作

今後も定期的に絵画が変わっていきますので、実際に観賞してみて下さいね。

『こんな絵を飾って欲しい!』など、皆様のご意見、ご感想を是非お聞かせ下さい。

 

当院の絵画でアートの世界をお楽しみください。

 

 

 

医科歯科連携セミナー in愛知に参加してきました。

 

7/14(日)に愛知学院大学で医科歯科連携セミナーが開催されました。
主催者は名古屋市で開業されている、おしむら歯科医院の副院長である押村憲昭先生。

愛知県では糖尿病療養指導士の受験資格が歯科衛生士にも与えられたとのことで、一層、歯科から全身疾患の予防と治療に力を入れていこうという熱意が込められたセミナーでした。

内容は、実際に臨床現場で糖尿病患者の歯周病治療に携わる病院歯科衛生士の活躍についてや、歯科界では超有名人である内科医の西田亙先生の健口公演、押村先生の医科歯科連携の普及に向けてのアクション実例など、まだまだ学ぶべき事が沢山あると刺激を頂くことばかりでした。

また、先生方の公演の中では「あ、このフレーズは臨床で使わせて頂こう!」と思う印象深いセンテンスが盛りだくさんで、メモを取るのに必死でした。

口腔の健康維持がいかに全身の健康に繋がるのか。まだまだ、歯科からも情報発信をしなければならないと歯科衛生士としての使命を感じました。

これからも一人でも多くの人に口腔の健康の大切さを伝えていきたいと思います。

社)日本顕微鏡歯科学会、第12回シーズンズセミナーに参加してきました 

社)日本顕微鏡歯科学会、第12回シーズンズセミナー【東京】に参加してきました。
会場は、日本歯科大学生命歯学部九段ホールでした。100名以上の参加者のなか、1割くらいは歯科衛生士のようでした。
 
セミナーでは9名の歯科医師の方の症例発表、1名の歯科衛生士の方の発表がありました。
歯科医師の方の症例発表では、
・ 深いPPDを伴う根尖病変への対応を検討した症例
・ パーフォレーションリペア
・ はじめての歯根端切除術~反省点を踏まえて
・ 深部カリエスを伴った小児治療の一症例
・ Micro scopeを活用しQualityの高い補綴治療を目指した症例
・ 根未完成歯の再生的歯内治療を試みた症例
・ マイクロスコープを用いた原因歯の鑑別診断
・ エンドペリオ病変を有する下顎第一大臼歯に対して再生療法をおこなった5年経過症例
・ 上顎洞炎を伴う根尖性歯周炎
といった、マイクロスコープを活用した症例を聞くことができました。
治療だけではなく、診査診断にも欠かせない機器であることが理解できました。

歯科衛生士の方の発表では、
・ 「見えた!さあ認定だ!」~認定に向けて苦労したこと~
というテーマで、初めは両眼で見ることができなかったところから学会認定歯科衛生士になった道のりをわかりやすくお話してくださいました。

今回学んだことは、動画や静止画を撮る際にどのように撮るかということです。
診療の中で、患者さんにお伝えするために撮影しているつもりでしたが、角度や見せかた(魅せかた)がまだ術者中心であったことに気づきました。

マイクロスコープの利点は、「拡大・照明・記録」です。
患者さんや第三者が見たときに「なるほど!」と納得できる撮影を習得したいと思います。

 

iTOP(アイトップ)セミナー開催・東京  

 

State of the art oral self care 


最新のブラッシングconcept(理論)とそのstrategies(手法)を学ぶ
iTOP(アイトップ)」のセミナーを続けて、3年目。

午前中は他クリニックの先生が講義をされ、午後からの実習を担当して日本全国300人くらいの方と出会いました。サポートしてくださる方々、講義を担当する先生、セミナーに参加してくださる皆さんに、いつも元気をもらいます。

今回は東京・上野が会場。
梅雨空のなか23名が参加してくださいました。

「スタッフ全員に伝えたい!」と何回かにわたりスタッフの方や、もちろん院長先生も参加してくださる歯科医院も珍しくありません。
歯科医師の方が参加してくださる医院は、予防歯科に取り組まれているところが多く見受けられます。

それ以外にも、自らの意思で意欲的に受講している歯科衛生士の先生方、熱心にメモを取りキラキラした目で実習に取り組まれている姿を見ると、こちらも初心にかえります。

このセミナーのキーワードは、歯間ブラシです。

ある調査では、歯間清掃は50歳代までは30%くらいの人しか使っていないと言われています。
歯周病の炎症は歯間部から始まります。
歯周病の臨床症状のひとつとして、歯周ポケット4ミリ以上の存在があります。
データによると、4ミリ以上の歯周ポケットは年齢を重ねるごとに増加し、50歳代で50%を超えてきます。
ここからは私見ですが、その頃になると出血や腫れっぽさなどの自覚症状も出てくるのではないでしょうか。自覚症状が出た50歳代を経て、ようやく60歳代で歯間清掃を始める人が半分以上となります。

もし歯科医院での健康啓発により歯間ブラシの使用が定着したら、大きな医療効果を発揮することでしょう。

歯間ブラシは歯周病患者さんのものだけではありません。
患者さん個々の歯間に合った正しいサイズ選択をしたうえで、お子さんから使っていく必要がある“予防のツール”ということが受講者の心に残っていたら大変嬉しく思います。

 

小児カンファレンス(症例検討会)

小児カンファレンス(症例検討会)

 

今回のテーマ 口腔機能育成について

 

<1症例目>1歳1ヶ月 男児

今後 口腔機能を育成させていく患者

 

 

<2症例目>3歳10ヶ月 男児

上顎劣成長による反対咬合、口唇過緊張の患者

 

<考察>

今後正しい口腔機能育成を誘導していくことを目標のひとつにしていく症例と、脱感作療法を用いて緊張を取り除き過敏が無くなったら積極的に良い刺激を与えていく必要がある症例だった。

低年齢からの口唇過緊張は歯列不正の原因だけではなくブラシの当て難さにも影響を与えカリエスの原因にも繋がる。より低年齢から口腔機能管理を行えることが理想。現状、口腔周囲筋の協調運動が習得できておらず、歯列不正になってしまう患者が多い。

予防計画立案するに当たりphコントロールやプラークコントロールだけではなく、歯列、咬合多方面から考えることの必要性を改めて感じた。現状に対しての疑問を常に持つことが大切である。

7月821クラブの内容~口腔機能育成~

ASO KIDS DENTAL PARKでは3歳未満の子どもを対象に821クラブというものを行っています。『むし歯予防』と『口腔機能育成』の2つのプログラムで生涯ずっと自分の歯で過ごすため、健全な歯列と丈夫な歯を育成しています。口腔衛生啓発と口腔機能基礎強化は、子供から始めるのが最も影響力を発揮します。
7月の口腔筋機能訓練プログラムでは、①舌スポットトレーニングと②ハニービーフーフーを行いました。

①舌スポットトレーニング
口の周りや舌を動かして、舌を正しい位置に付けられるようにするトレーニングです。舌筋のトレーニングだけでなく、舌癖の改善にも役立ちます。

②ハニービーフーフー
『ハニービー』というキャラクターが描かれた紙に糸を付け、ふーっと吹くトレーニングです。ハニービーを遠くまで飛ばすには口を窄めて強く吹く必要があります。これによって口輪筋を鍛え、口唇閉鎖トレーニングに役立ちます。

遊びを交えたトレーニングで口腔全体の機能向上を図っていけるよう、歯科衛生士と保育士が協力してプログラムを組んでいます。