私達が安心して診療するために

当院では毎週火曜日に保育士が託児をおこなっています。

主に本院の麻生歯科に通院する保護者の方のお子さんをお預かりして、保護者の方が安心して治療やメンテナンスを受けられることができるようになっています。

また、私達が診療している際、上のお子さんの診療中に下のお子さんをみていただいたり、説明中にあきてしまったり、動きまわってしまうお子さんをみていただいたりもしてもらっています。

保育士さんにみてもらうことにより、保護者の方に安心してゆっくり話を聞いてもらうことができ、私達も安心して診療を行なうことができます。

本日は、お母さん達向けの栄養学のセミナーがあり、託児の人数も多くにぎやかでした。普段忙しくお子さんのことが優先になってしまうお母さん達も、ゆっくりお話を聞けて、自分の健康のことを見つめ直す時間になってくれていたらうれしいです。

6月25日 予防歯科臨床見学セミナー

本日は東京都からまごころ歯科クリニックの院長先生以下スタッフ4名の皆様が当院に見学に来られました。

まごころ歯科クリニック ホームページ

杉並区ご開業、開院から4年経過し、より予防を軸とした診療システムを構築していきたいという思いがあってのセミナー参加です。

まごころ歯科医院では、今後患者の初期う蝕管理対策としてCAMBRAの活用も検討しているとの事。
また口腔内のPH変化に関心があり、そのコントロール方法や唾液の緩衝能を上げる方法について臨床例をあげながらディスカッションしました。

実際、院長先生にもカリスクリーンを使ってATPを測定し酸産生細菌の活動性検査を体験していただきました。結果は驚きの数値・・・!?先生ご自身のセルフケア見直しのキッカケになってくれたのではないかと思います。

麻生歯科では予防歯科臨床の全てを体感し、予防歯科チームの診療室での業務フローや臨床マネジメントの実際をご覧になっていただく見学セミナーを随時行っています。

患者一人当たりのチェアタイムは?
どのように予防の大切さを伝えている?その健康啓発のための行動変容アプローチは?

各衛生士の診療フローに合わせた受付対応の秘訣は?

あらゆる質問にも柔軟にお答えしています。

また、実際にその雰囲気を体感して得られる気付きもあるかと思います。
イメージしていたものから、実際見学してすごくクリアーになったと言われ、幸い好評をいただいております。

これから予防ヘルスケアに力を入れて行きたいという歯科医院だけでなく、予防歯科で働いてみたい!という目的の見学も歓迎していますので、どうぞお気軽にお問い合わせください。

6月25日 保育士合同ミーティング

ASO KIDS DENTAL PARKでは定期的に保育士との合同ミーティングを行っています。

今回は6月25日に行った内容についてお伝えします。

1、821クラブの内容確認と周知

6月に何を行ったか、7月には何を行うかの周知がありました。

また、6月はお試しで午後にも未就学児対象の821クラブを行ったので、その結果や課題について報告がありました。

水曜日の午後のみ行ったため、参加者が限られてしまう事、教えた内容が定着しにくいのではという懸念が生じた事、駐車場が足りなくなってしまった事、といくつか課題が浮かび上がりました。

提案としては週に2日実施していく、催し物が多い日はスタッフの車を縦列駐車させて来院者用の駐車場を確保するといった物が挙げられました。

 

2、セミナー中の託児について

託児中の子どもの安全を守るためにも、セミナー参加者の託児利用の上限を決めた方がいいという提案がありました。

特に赤ちゃんの対応だとスタッフ4人でも5人が限度だと意見があったので、セミナー参加者で託児の希望がある方とそうでない方の予約の取り方について決めていきました。

 

 

当医院は日々新しい取り組みを行っています。

患者さんに通っていて楽しいと思ってもらえるようにスタッフで集まって意見を交わしています。

メインテナンス患者さんへのキャンブラ活用

 

麻生歯科クリニックでは、初診だけではなくメインテナンス中の患者さんにも「CAMBRA/キャンブラ」を行っています。
10年以上メインテナンスを続けている患者さんも多くいます。
長く定期来院している患者さんの多くはセルフケアが確立されています。ところが時に、こちらが当然できていると思っていたセルフケア項目が、話をしていくなかで思いがけずできていないということがあります。

先日も40代女性の患者さんでこんなことがありました。

・初めはフッ化物配合歯磨剤を使っていたのに、今は継続して使用していなかった。
・キシリトールガムが習慣化されていない
・プラークの付着量が減らない。ブラッシングができてないからだけなのか?食事が原因なのか?」等々・・・

このようにメインテナンス患者さんのセルフケアの再構築をしたいときにも、「CAMBRA/キャンブラ」の活用をしています。
カリスクリーンでバクテリアの現状を知り、カリエスリスクアセスメントフォームで情報を整理整頓することでその患者さんの生活が見えてきます。そこから、今の生活背景に即した新たなホームケアの提案ができます。
患者さん自身も、カリスクリーンを行い細菌の活動性をダイレクトに知ることで自分の口腔内のリスクを再確認することができモチベーションに繋がります。

「CANBRA/キャンブラ」を活用して、患者さんに“気づき”を与えられたらいいですね。

 

自由診療のカンファレンス

本日(6月24日)はDr. DH DAが参加の自由診療のカンファレンスが行われました。

1症例目はDrより「根充後の歯根に内部吸収が生じたケース」についてです。

根充後のレントゲンでは確認できなかった内部吸収が3年後のレントゲンでは生じていました。

CT画像では口蓋側の歯根の吸収が認められ、保存困難と診断されました。

要抜歯なため、抜歯後の補綴処置に関しては、インプラントを勧めていくことになりました。

内部吸収は矯正などの過去の治療歴や外傷があると生じ易いことを再認識しました。

 

 

2症例目はDHより「上顎前歯補綴物の不適症例」についてです。

右上1番のマージンに骨縁下に及ぶカリエスがあります。

その他、右上2番、左上1、2、3番はマージン不適です。

右上1番は除去して保存できるか診断が必要ですが、保存しても予知性が低いことが考えられます。

その他の部位では外科処置を行い歯肉のラインを2~3mm下げて、biologic width(生物学的幅径)を整える必要があると結論付けました。

歯科において診査・診断は大事であり、治療途中においても診査・診断が変化することがあることを再確認しました。

予防歯科における初診電話応対について 


患者さんと初めて接する場面として、電話による対応が一番多くなります。

電話はお互いの顔は勿論、姿が見えません。

だからこそ、どのような気持ちで相手と向き合っているか? 心の声が聴こえてきます。

当院は 口腔の健康を守るため、患者さん自らお口の健康の管理ができるように、継続的な定期管理での来院をすすめる歯科です。

もしかしたら、予防歯科って何ですか? 私たちが思う以上に認知度が低いかもしれません。

 

まず第一に患者さんの希望 望みをお尋ねします。どうして当院を選んで電話をしていただいたのでしょうか?
自身のお口が どうあったらいいと思っておられるのか?
丁寧な電話での対話によって、聞き出すようにしています。

患者さんそれぞれ、様々な理由、動機があると思います。

患者さんの希望をじっくり聴いて、患者さんの希望に合った方向へ導くために、
予防歯科の医院は、疾患だけを診るのではなく、お一人の人間として、疾患である部分も含めて
お付き合いして行きたいと考えています。

ゆえに、私たちは最初の電話応対を特に大切にしております。多少、お時間がかかるかと思いますが、私たちのクリニックは疾患を診る前に、あなた方を知りたいのです。
それが、誠意だと考えています。

 

ご質問、ご相談について、親身になって応対を致しますので、何なりとお申し付けくださいませ。

お電話お待ちしております。

 

 

 

『Anatomy TrainsRの読破会①』

Anatomy TrainsRの読破会①』

 

『アナトミー・トレイン』とは、姿勢や動作の制御に重要な関わりを持つ、人体を走る筋肉・筋膜経のつながりの「ライン」の事、筋膜は筋肉を繋げるネットワークとして、全身に7つのラインを構成しています。

毎年、アメリカで人体解剖をされ、ボイストレーニングや楽器の姿勢など指導されている理学療法士 山本篤先生のもとで、教科書や書籍以上に味のある筋肉、筋膜解剖学にふれました。

                     

臨床において 子どもたちを見ていると姿勢を保てない子どもが多く

例えばユニットに座っていても足を組む。立って写真を撮るにも足はクロスしたままなど

それを解決できる糸口があるのかと赤ちゃん歯科ネットワークの『アナトミー・トレイン読破会』に参加しました。

観察するポイント

①左右の首の動きは左右対称か 柔軟性はあるのか

②骨盤を側方の位置関係から見る 前傾か後傾か

③開口の子どもたちが多い理由は 首を支える筋肉の過緊張

④嚥下癖 舌の下の筋肉の過緊張 低位舌

⑤うつ伏せ寝になるのは、骨盤の内部の筋肉の萎縮

⑥呼吸が浅い事 胸膜の未発達

⑦偏平足 足首の柔軟性

現在当院では助産師さんをお招きし、赤ちゃんの発達コースを設けています。

なお、発育の段階を過ぎてしまった幼児 小学生からの解決やトレーニング方法は次回また後日報告させていただきます。

 

 

第37回 日本顎咬合学会 学術大会に参加 

日本顎咬合学会、2019年第37回学術大会に参加してきました。
今回のテーマは「真・顎咬合学 最新歯科医療最前線」です。
サブテーマとして、夢ある歯科界の再構築、とあるように、歯科界はこれからの人生100年時代とその100年を健康な口腔で過ごせる人を増やすために変革の時期を迎えていると思います。

治療した歯から疾患が再発し、治療すればするほど歯は失われていくという考えが歯科界に広まったのは1999年から2000年。
もちろん治療が必要な歯には介入するのですが、できるだけ削って詰めたりかぶせたりする状態にならないように“予防歯科”を提供することで歯を守ることができます。

今回「カリエス・ペリオだけではなく全身疾患を歯科で予防するメインテナンス~患者さんに合わせた指導~」というシンポジウムで、麻生歯科クリニックからも発表させていただきました。
大阪大学の天野教授、糖尿病内科医の西田先生といった著名な先生のご講演のあと、患者さんの気持ちに寄り添った考え方や活用するツールなどの実際の診療での具体例を発表しました。

プラークコントロールが重要であることに変わりはないのですが、だれしもが完璧な歯みがきができるわけではありません。
これからはマイクロバイオルシフト、細菌叢の変化に意識を向ける時代です。
細菌叢が悪玉に傾かないように、歯周病治療やメインテナンスでリバースマイクロバイオルシフトすること、つまり健口管理が大切です。
私たちが続けている診療は意味のあることだと、細菌学の視点からも感じました。

 

乳歯の早期喪失と保隙装置

近年、乳歯の齲蝕罹患率は減少の一途をたどっています。しかし、齲蝕のまったくない子と重度の齲蝕を複数もつ子の二極化が起きています。

乳臼歯は隣接面からの齲蝕が進行しやすく、重度の齲蝕に罹患した歯は抜歯の適応になることもあります。抜歯時に後続永久歯の位置が重要で萌出までに時間がかかる場合は隣在歯の近心傾斜を防止する必要があります。
保隙装置としてバンドループを使用することが多いです。当院には技工室があり常勤のベテラン技工士さんがいらっしゃいますので印象後すぐに正確なバンドループを作製、早期に装着することができます。

保隙装置を使用して後続永久歯の正常な萌出を促し理想的な歯列を目指しています。

 

 

小児カンファレンス(症例検討会)

 

今回のテーマは「口腔機能不全症を伴う症例」について

<1症例目> 2歳9ヶ月の女児

上前歯隣接面カリエス発症の口腔における過蓋咬合の患者

 

<2症例目> 5歳の男児

口呼吸からのカリエスリスクのある患者

 

2症例からの考察

口腔の機能改善を行うにあたり、カリエスリスクのコントロールが必要な2症例だった。

カリエスからの発症によって機能が低下したか、機能の低下によりカリエスリスクが上がったのか難しいところだった。

どのように予防計画を立案し、患者さんに分かりやすく伝えて行動変容に繋げて行くことが出来るか。患者さんに自分事化してもらうように共にゴール設定し、メンテナンス時に再評価していく。目標が達成できたならば、次の目標・ゴールを設定しレベルアップするために患者さんの先頭にたち引っ張って支えていく。これが、理想なところですが、まだ自分達は予防計画の立案が甘くそこが論点だった。

患者さんの健康発育に携わる衛生士にとって予防計画立案の難しさ、目標・ゴール設定の大切さを今回も痛感した。