自由診療のカンファレンス

本日(6月24日)はDr. DH DAが参加の自由診療のカンファレンスが行われました。

1症例目はDrより「根充後の歯根に内部吸収が生じたケース」についてです。

根充後のレントゲンでは確認できなかった内部吸収が3年後のレントゲンでは生じていました。

CT画像では口蓋側の歯根の吸収が認められ、保存困難と診断されました。

要抜歯なため、抜歯後の補綴処置に関しては、インプラントを勧めていくことになりました。

内部吸収は矯正などの過去の治療歴や外傷があると生じ易いことを再認識しました。

 

 

2症例目はDHより「上顎前歯補綴物の不適症例」についてです。

右上1番のマージンに骨縁下に及ぶカリエスがあります。

その他、右上2番、左上1、2、3番はマージン不適です。

右上1番は除去して保存できるか診断が必要ですが、保存しても予知性が低いことが考えられます。

その他の部位では外科処置を行い歯肉のラインを2~3mm下げて、biologic width(生物学的幅径)を整える必要があると結論付けました。

歯科において診査・診断は大事であり、治療途中においても診査・診断が変化することがあることを再確認しました。

予防歯科における初診電話応対について 


患者さんと初めて接する場面として、電話による対応が一番多くなります。

電話はお互いの顔は勿論、姿が見えません。

だからこそ、どのような気持ちで相手と向き合っているか? 心の声が聴こえてきます。

当院は 口腔の健康を守るため、患者さん自らお口の健康の管理ができるように、継続的な定期管理での来院をすすめる歯科です。

もしかしたら、予防歯科って何ですか? 私たちが思う以上に認知度が低いかもしれません。

 

まず第一に患者さんの希望 望みをお尋ねします。どうして当院を選んで電話をしていただいたのでしょうか?
自身のお口が どうあったらいいと思っておられるのか?
丁寧な電話での対話によって、聞き出すようにしています。

患者さんそれぞれ、様々な理由、動機があると思います。

患者さんの希望をじっくり聴いて、患者さんの希望に合った方向へ導くために、
予防歯科の医院は、疾患だけを診るのではなく、お一人の人間として、疾患である部分も含めて
お付き合いして行きたいと考えています。

ゆえに、私たちは最初の電話応対を特に大切にしております。多少、お時間がかかるかと思いますが、私たちのクリニックは疾患を診る前に、あなた方を知りたいのです。
それが、誠意だと考えています。

 

ご質問、ご相談について、親身になって応対を致しますので、何なりとお申し付けくださいませ。

お電話お待ちしております。

 

 

 

『Anatomy TrainsRの読破会①』

Anatomy TrainsRの読破会①』

 

『アナトミー・トレイン』とは、姿勢や動作の制御に重要な関わりを持つ、人体を走る筋肉・筋膜経のつながりの「ライン」の事、筋膜は筋肉を繋げるネットワークとして、全身に7つのラインを構成しています。

毎年、アメリカで人体解剖をされ、ボイストレーニングや楽器の姿勢など指導されている理学療法士 山本篤先生のもとで、教科書や書籍以上に味のある筋肉、筋膜解剖学にふれました。

                     

臨床において 子どもたちを見ていると姿勢を保てない子どもが多く

例えばユニットに座っていても足を組む。立って写真を撮るにも足はクロスしたままなど

それを解決できる糸口があるのかと赤ちゃん歯科ネットワークの『アナトミー・トレイン読破会』に参加しました。

観察するポイント

①左右の首の動きは左右対称か 柔軟性はあるのか

②骨盤を側方の位置関係から見る 前傾か後傾か

③開口の子どもたちが多い理由は 首を支える筋肉の過緊張

④嚥下癖 舌の下の筋肉の過緊張 低位舌

⑤うつ伏せ寝になるのは、骨盤の内部の筋肉の萎縮

⑥呼吸が浅い事 胸膜の未発達

⑦偏平足 足首の柔軟性

現在当院では助産師さんをお招きし、赤ちゃんの発達コースを設けています。

なお、発育の段階を過ぎてしまった幼児 小学生からの解決やトレーニング方法は次回また後日報告させていただきます。

 

 

第37回 日本顎咬合学会 学術大会に参加 

日本顎咬合学会、2019年第37回学術大会に参加してきました。
今回のテーマは「真・顎咬合学 最新歯科医療最前線」です。
サブテーマとして、夢ある歯科界の再構築、とあるように、歯科界はこれからの人生100年時代とその100年を健康な口腔で過ごせる人を増やすために変革の時期を迎えていると思います。

治療した歯から疾患が再発し、治療すればするほど歯は失われていくという考えが歯科界に広まったのは1999年から2000年。
もちろん治療が必要な歯には介入するのですが、できるだけ削って詰めたりかぶせたりする状態にならないように“予防歯科”を提供することで歯を守ることができます。

今回「カリエス・ペリオだけではなく全身疾患を歯科で予防するメインテナンス~患者さんに合わせた指導~」というシンポジウムで、麻生歯科クリニックからも発表させていただきました。
大阪大学の天野教授、糖尿病内科医の西田先生といった著名な先生のご講演のあと、患者さんの気持ちに寄り添った考え方や活用するツールなどの実際の診療での具体例を発表しました。

プラークコントロールが重要であることに変わりはないのですが、だれしもが完璧な歯みがきができるわけではありません。
これからはマイクロバイオルシフト、細菌叢の変化に意識を向ける時代です。
細菌叢が悪玉に傾かないように、歯周病治療やメインテナンスでリバースマイクロバイオルシフトすること、つまり健口管理が大切です。
私たちが続けている診療は意味のあることだと、細菌学の視点からも感じました。

 

乳歯の早期喪失と保隙装置

近年、乳歯の齲蝕罹患率は減少の一途をたどっています。しかし、齲蝕のまったくない子と重度の齲蝕を複数もつ子の二極化が起きています。

乳臼歯は隣接面からの齲蝕が進行しやすく、重度の齲蝕に罹患した歯は抜歯の適応になることもあります。抜歯時に後続永久歯の位置が重要で萌出までに時間がかかる場合は隣在歯の近心傾斜を防止する必要があります。
保隙装置としてバンドループを使用することが多いです。当院には技工室があり常勤のベテラン技工士さんがいらっしゃいますので印象後すぐに正確なバンドループを作製、早期に装着することができます。

保隙装置を使用して後続永久歯の正常な萌出を促し理想的な歯列を目指しています。

 

 

小児カンファレンス(症例検討会)

 

今回のテーマは「口腔機能不全症を伴う症例」について

<1症例目> 2歳9ヶ月の女児

上前歯隣接面カリエス発症の口腔における過蓋咬合の患者

 

<2症例目> 5歳の男児

口呼吸からのカリエスリスクのある患者

 

2症例からの考察

口腔の機能改善を行うにあたり、カリエスリスクのコントロールが必要な2症例だった。

カリエスからの発症によって機能が低下したか、機能の低下によりカリエスリスクが上がったのか難しいところだった。

どのように予防計画を立案し、患者さんに分かりやすく伝えて行動変容に繋げて行くことが出来るか。患者さんに自分事化してもらうように共にゴール設定し、メンテナンス時に再評価していく。目標が達成できたならば、次の目標・ゴールを設定しレベルアップするために患者さんの先頭にたち引っ張って支えていく。これが、理想なところですが、まだ自分達は予防計画の立案が甘くそこが論点だった。

患者さんの健康発育に携わる衛生士にとって予防計画立案の難しさ、目標・ゴール設定の大切さを今回も痛感した。

予防歯科から健康歯科へ

近年、未病の概念が普及されつつあり、医科では糖尿病予防や血管疾患予防のような生活習慣病への未然の発症予防の取り組みが浸透されつつあります。

私たち歯科の疾患も大半が生活習慣病であり発症は生活習慣の改善で未然に防げる病気が多くあり、歯科医院において診療の中に生活習慣指導を取り入れている医院も増えてきていると思います。

そういった医院は、口から食事をするための口腔の機能を向上させた上で、より健康になるためのヘルスプロモーションを実践し、健康な患者さんを作り上げていくことの大切さを感じて日々診療に取り組まれていることと思います。

麻生キッズでも歯が生えた始めた頃から受診してもらう事で未然に防げる様々な疾患に対し、早期に対策を講じ、ヘルスプロモーションに繋げています。当院においては、管理栄養士を通して患者さんへの健康栄養指導をしていく取り組みを企画し進めています。この書籍の中にはそのような健康づくりへの対策が記載されています。益々の口腔からの健康発育への糸口を見い出す事が出来そうです。

歯科からのヘルスプロモーションはこの令和の時代に、歯科界のより一層の広がりを持たせる事のできる着目すべき分野だと思われます。

DHカンファレンス  

毎週水曜日にDHカンファレンスを行っています。

このカンファレンスでは専任DHが新患の症例報告をし、聞き取った医学的情報を通して新人DHの医療面接の教育に役立てています。

また、新人DHが受け持っている患者さんの症例を提出し、問題点の解決策を先輩DHがアドバイスする機会となっています。

 

 

〈1症例目〉

主訴:右上の歯がしみる  41歳 女性

10年ぶりの歯科医院で双子のお子さんをもつ子育て中のお母さんです。

右上5の傾斜による右上4のカリエスが主訴の原因でした。

リスクアセスメントの結果ではハイリスクであるため、予防計画を立てて改善を促していく必要がありますが子育てもありますのでそのあたりも配慮しながら行っていく必要があります。

 

 

〈2症例目〉

新人DHから:カリエスアクティビティーが高く、カリエスが多発している症例

上顎両側6に大きなカリエス、下顎両側67にもカリエスがみられます。

プラ-クコントロール不良、後に矯正治療も控えています。

しかし、本人の反応は薄くTBIをしても改善する様子は見られません。

治療介入までに口腔内を改善するためにアドバイスを頂いた結果、高性能な電動ブラシを使ってみてはどうかということでした。

 

来週も水曜日開催予定です。

 

キッズデンタルパークの風景

歯医者さんってどんなイメージですか?

こわいとか行きたくない場所とか多くの子供からあがると思います。

麻生キッズデンタルパークはそんなイメージを覆すようなとっても楽しく明るい待合室になっています。

モチベーションも上がり、さらに楽しく、健康に近づくことができるなんて一石二鳥ですね!

可愛らしい待合室はいつも初めてみる方の感動を生んでいます!

咬筋ボツリヌス治療体験(歯ぎしり・食いしばり偏)

今回はボトックス注射についてお話します。

 

皆さんは朝起きた時に顎や歯が痛むことはありますか?

 

私は以前朝起きた時に顎や歯が痛んでいたのですが原因は寝ている時の歯ぎしりや食いしばりでした。

マウスピースを作ってみたのですが気持ち悪くなってしまうので続けて使用するのが難しかったです。

 

そこで勧めてもらったのが当院でできるボトックス注射です。

個人差はありますが痛みもあまりなく注射してから1週間くらいで効果が出てきます。

定期的に(私は3ヶ月くらい)に受けていますが今は痛みのストレスがなくなりとても快適に過ごしています。

 

歯ぎしりやくいしばりがあるのにマウスピースの使用ができなくて諦めていた方はお勧めです。

 

「咬筋ボツリヌス治療」は以下のような様々なメリットがあります。

・顎関節症の緩和(顎が鳴る・口が大きく開かない・顎が痛む)

 ・歯ぎしりによる歯の磨減(磨り減り)抑制

 ・咬合圧による脱離、破損防止

 ・食いしばりの緩和

 ・食いしばりで起こる肩こり、頭痛などの改善

 ・その他 ガミースマイル改善、口角挙上など・・

 

気になっている方がいましたらぜひスタッフに声をかけてください(^^)

          体験前           体験後

  顎(エラ)の形が変わりました!!